重症例ならば幼少期から小学校にかけて、言動が明らかに周りの子供と目立って違うため、専門医療機関を受診し発達障害と診断されることが多いのですが、軽症例ならば親にも周囲にも気付かれずに成人となる場合もあり、男性に多い傾向があります。
自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)は、広汎性発達障害とも呼ばれ、(小児)自閉症やアスペルガー症候群などが含まれます。共通の症状は、コミュニケーション能力の障害があり、社会的な対人関係の構築に障害があります。
(小児)自閉症では、対人接触を拒み、特定の物や行動への強いこだわりがあり、70~80%に知的障害を合併します。
アスペルガー症候群では、知能は正常で、言語発達も障害はないのですが、空気が読めないため対人関係の構築がうまくいかず、著しく不器用で、生きるのが下手な人が多いようです。成人になって診断される場合もありますし、成人期早期に精神病を合併することがあります。
注意欠如多動性障害(ADHD)は、重症例では生後5年以内に症状が目立ってきます。親や先生の言うことを聞いてないといった注意散漫や、いつもじっとしていないといった多動性、思いつくまま行動するような衝動性が認められます。学習の障害や運動の不器用さが認められます。軽症例では、落ち着きのない、よく喋る子供といった印象で周囲からは見られながら、学習の障害はあまり目立たずに成長し、成人になってから診断される場合もあります。
発達障害