休職の必要性
- 2023年4月16日
- 休職について
仕事上のストレス過多が誘因となってうつ病などを発病すると、1日中交感神経優位となり、夜なのに脳が興奮して不眠となり、夜にいくら眠っても脳や身体の疲れが取れなくなります。意欲も当然低下しますので仕事への気力がなくなり、仕事が手に付かなくなります。思考力や集中力や判断力も低下するために、仕事上の失敗や簡単なミスも増えて行きます。つまり、うつ病に罹患したために、その人本来の仕事をする能力が100%あったのに、20~30%程度まで著明に低下してしまい、自分自身の評価だけではなく周囲の評価も下がるため、こんなはずではないのにと周囲の評価に過敏となり、自己嫌悪や自己否定感や無能力感に悩まされます。もちろん、職場だけでなく日常生活でも、何をしても楽しくはなく、何に対しても興味・関心がなくなってしまします。
そのような場合は心療内科や精神科を受診し正しい診断をしてもらい、必要な場合は休職した方が良い場合が多いようです。なぜなら、うつ病は心の病気ですが、脳の働きが著明に低下する病気なので、脳の働きを改善するための薬物療法が必要になります。その場合、ストレスが多い緊張感が高まる職場の中では薬物療法は十分に効果的ではありません。休職してストレスから解放されて自宅療養でリラックスしている時の方が、薬物療法がより有効的なのです。ですから、必要な場合は2~3カ月前後の休職診断書を主治医に書いてもらい、うつ病を治療する方が早く治ります。うつ病の休職診断書に記載する期間は、一般的にはまとめて2~3か月の休職(=自宅療養)が必要と書いてもらうのが常識的です。人によっては、2~3か月の休職による自宅療養と通院治療で治らない場合がありますが、その場合は休職延期のための1~2カ月の休職診断書をさらに書いてもらう必要があります。そして、病気が劇的に改善すれば、職場復帰は当然果たせますし、また以前のように100%の能力で仕事がこなせるので、休職は本人だけでなく会社にとっても有用な決断になります。