ストレスは、「外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態のこと」と説明されており、身体の病気や不眠などの身体的要因、夏の暑さや騒音などの環境的要因、職場の人間関係のトラブルなどの心理・社会的要因などがあります。一般的に人間の心身の健康にとって害となるものをいいます。

　しかし、ストレス学では、ストレスにはユーストレス（eustress)とディストレス（distress)の２種類に分類されます。ユーストレスとは、快ストレスとも呼ばれ、心身の健康を維持するために適度なストレスで、人生に活力を生み出すために必要なストレスを言います。ディストレス（distress)とは、不快ストレスとも呼ばれ、心身の健康を害する過剰なストレスで、様々な病気の原因や誘因となるストレスをいいます。快ストレスと言われてもぴんと来ないかもしれませんが、例えば仕事を無事成功させて達成感を得るとか、会合などに出て人とコミュニケーションを楽しむとか、疲れた体を癒すために温泉に入るとか、適度な運動をして汗をかくなどは、快ストレスになります。ただ、快ストレスと不快ストレスもコインの裏表であり、その刺激を快と感じるか、不快と感じるかはその人それぞれですので、過度なストレスでなければ、できるだけポジティブ思考で快ストレスと受け止める様にした方が生きやすくなります。

　また、生まれつきストレス耐性の低い生きづらい人がいて、同じ刺激であっても周囲は何とも感じていなくても、不快ストレスと感じてしまう人がいます。例えば、競争心が強く我がままでいつもイライラして余裕がない人や、自己肯定感が低いために自己主張せず従順で周囲への気配りが過剰な人などがあげられます。ですから、ストレスと上手く付き合うためには、まずいつも笑顔で余裕を持った行動を心がけることです。そして、自分を傷つけるようなネガティブ思考が浮かんで来るような考え方の癖を他のポジティブな考え方に置き換える習慣を身に着けて、他者の評価をあまり気にせずマイペースで行動していくことで性格も前向きになり、ストレスとうまく付き合えるようになります。